もしかしたら、戦争に向かうような世論形成をされているんじゃないかと日々ヒヤヒヤしているイチろくです。
今までの戦争はどのような世論形成、プロバガンダを通して戦争反対と叫んでいる国民たちを
戦争するのもやむなしや!
と言わせてきたのかを過去から学ぼうじゃないかという試みです。
今回紹介いたします書籍は、第一次世界大戦が起こった「戦争プロバガンダ」を1928年の著書『戦時の嘘』からの10項目を1章づつ辿っていこうではないかというものです。
我々は戦争はしたくはない
太平洋戦争開始前、ルーズベルト大統領と東条首相はほぼ同じ文言で国民に演説をしました。
我々は戦争はしたくない!
なぜ戦争したくない国同士で戦争になるのでしょうか。
しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
両陣営とも、戦争は抑止するために「やむをえず」参戦するという矛盾した構図は第一次世界大戦時にすでに存在していました。
戦争を終わらせるために戦争を行い、
今度こそ「最後の最後」なんです!
と主張します。
2022年との比較
今回ウクライナはロシアに対して同じ発言をしていますね。。。
敵の指導者は悪魔のような人間だ
いくら敵対関係であっても、顔の見えない一群を憎むことは不可能です。
そこで相手国の指導者に敵対心を集中させる戦略をとるのです。敵に一つの「顔」を与え、その醜さを強調するのです。
これにより、我々と変わらない生活をしている一般市民の個人性は打ち消されてしまいます。
相手国の戦意を弱体化させるためには、まず指導者の無能さを強調し、指導者の信頼性や身の潔白を疑わせる必要があります。
ありとあらゆる手段を使って敵の大将を悪魔に仕立て、
すべての悪は、こいつが原因だ!戦争の目的は悪者を捕らえることであり、彼が降伏すれば、論理的かつ文化的な生活が戻ってくるはずだ!!
2022年と比較して
今回のウクライナ侵攻でいえば、プーチン大統領が悪魔のような人間として取り扱われています。またよく使われる「第2のヒトラー」という表現も近年多用されています。
われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う
名目上の戦争の目的はこの3つあります。
- 軍国主義の打倒
- 小国の保護
- 民主主義の確立
しかし、多くの場合本当の目的を開示されることはほぼない。いや、絶対ないと言うこともできます。第二次世界大戦でも、両陣営とも領土拡大や利潤目的で、このことを戦争前に国民に開示した国は一国もありませんでした。
2022年と比較して
ロシア側は同じロシア語を話す民族の保護、ウクライナ側は独立とお互い偉大な使命を掲げて戦っています。もしかしたら他にも本当の目的があるのでしょうか。。。
我々も誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為に及んでいる
第2次世界大戦時、ドイツとの戦争のきっかけが欲しかったフランスは
ドイツ兵はベルギーのこどもの手首を切断した!なんて残虐な奴らなんだ!!
とフランスメディアが繰り返し報道し、「かわいそうなベルギー人」をドイツ人から救うべく、フランスやアメリカなどの国が戦争に参戦しました。
しかし、終戦後、アメリカの大富豪が
手を切られた子供と会ってみたいな
とベルギーで聞き取り調査をしてその子供を探したところ、誰一人として実際の被害者を見た人はベルギーにいませんでした。
2022年との比較
現在もウクライナ側は民間人、特に子供への被害を大きく報じ、ロシア側はウクライナ人の人道支援をしていると真逆の報道がされています。事実を確かめるのは非常に難しいですが、マスコミが作り出した嘘の情報や大きく持った話などもあるかもしれないと疑いの目でみることも重要かも知れません。
敵は卑劣な兵器や戦略を用いる
第2次世界大戦時は、ドイツは毒ガスなどの化学兵器を使用する非人道的な軍であると言われていましたが、実情はフランスもイギリスも使っており、アメリカに関しては核兵器まで使用しました。もちろん国民への説明などは一切行っておりません。
相手側が卑劣な武器を使っている!!
と一方的に避難するだけでした。先に声を大にして発言することにより、
いや、お前らも使ってるやん!!
と反論が来ても
そんな証拠あるんか!あんな非人道的な武器を使う敵の言うことなんか信用したらあきまへんで!!
これで国民は敵国の避難に躍起になり、ここまで避難しておきながらまさか自国の軍も使っているとは思わないのです。
われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
太平洋戦争中の日本軍などはその傾向が顕著でしたが、被害は過小評価し、アメリカ軍に与えた損害は大きいと報じていました。
2022年との比較
ロシアが占領したと報じれば、ウクライナは奪還したと報じ、ロシア兵の捕虜もたくさん獲得している報道は数多くありますね。
芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
第2次世界大戦時では、ピカソをはじめとした芸術家がドイツの侵略を非難していました。多くの知識人が
大量殺戮兵器が開発されている現代にこんな戦争が起きてしまうのか!!
とアドルフ・ヒトラーを名指しで非難する場面も多く見受けられました。
2022年との比較
日本の多くの報道番組、知識人はじめとして、「悪いロシア、かわいそうなウクライナ」という構図をよく見かけます。ウクライナを支援する「正義の戦い」なら多くの人が支持する土壌は出来上がっているのではないでしょうか。本来メディアは中立の立場で報じるべきであるとは思うのですが・・・。
我々の大義は神聖なものである
ここまで来ればダメ押しです。ローマ教皇まで出てきちゃうレベルです。日本は天皇陛下万歳とまで叫んでいた現象になります。
決して私利私欲のためではなく、絶対に国の独立を維持しなくてはならない!など大義が神聖で誰もその想いに対して反対をすることはできない段階になります。
2022年との比較
ウクライナは国家の独立を掲げ、死に物狂いで戦い、ロシアは戦闘力に大きく差があるもののなかなか攻め込み切れずにいると報じられています。ロシア側もロシア語民族の保護と両者譲りません。
この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である
戦争プロバガンダに疑問を投げかけるものは、誰であれ、愛国心が足りないとして非難されます。実際、第二次世界大戦時、フランスの記者が
直接の戦争開始のきっかけはロシアとフランスの密約でドイツをハメたらしい!
これは戦後に認められた露仏密約条項なのですが、当時は
あの記者はドイツのスパイだ!今すぐ国外通報しろ!!
この「真実を報じた」記者は、フランス国内にいることができなくなってしまったそうです。
2022年との比較
日本国内でも少しでもロシアの肩を持つような発言をすると
あの人はロシアのスパイだ!
と言われてしまっています。何度も言いますが、本来他国間の戦争は、個人はともかく国家としては、中立の立場にとどまっておくべきです。
作者からの今を生きる人への警告
わたしたちは祖先よりも知識があり、平和に対する理解があるのだから、戦争を二度とするはずかないと信じる人もいるだろう。この人たちは、
- 今なお、先人たちのように情報を鵜呑みにしてしまうだろうか
- こうした法則は意識的に実践されなのだろうか
- 真実は重要だろうか
- なにもかも疑うのもまた危険なことではないだろうか
こういったことに気をつけながら、「戦争のプロバガンダ的要素もあるかも知れない」と考えています。
まとめ
1928年に出版され、2010年にも注目を浴びた本書ですが、過去から学べることも多く散りばめられたように感じます。中には、
昔は新聞やラジオで言われたことを信じてたけど、SNSも発展した現代でプロバガンダは成立しないでしょ!
と考えた方もいるかも知れません。しかし、我々は以前の時代よりも情報を鵜呑みになり、感情的に動く傾向が強くなっているのです。それはマスメディアやSNSによる映像で訴える方法が発達したからです。
視覚、聴覚、そして同情心を煽られて、無視できる人などいるでしょうか。ましてや、自国民が被害に遭っておきながら、
こんなんプロパガンダやん!無視無視!
と非難する人は果たしてどれくらいいるのでしょうか。僕もその声を上げるのは難しいと思います。
何か少しでも参考になれば嬉しいです。
本日は以上になります。それでは又又六!!
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