マルクスの資本論～給料はどうやって決まっているのか？〜

労働力の価値と労働の価値は別物

労働者も資本家も、労働の価値に賃金を貰っていると誤解していますが、労働の価値とは必要経費と余剰利益の合わせたものが労働の価値です。

また、資本家は労働者一人一人を精査していません。できるだけ平均になるように多く雇っているので、能力にばらつきがあるのは折り込み済みです。バラつきがあることを前提にしているから、多くの労働者を雇ってリスクヘッジしていると言っても過言ではありません。つまり

などしていないのです。大きく見て、人数で割るだけです。資本家に労働者を労る気持ちはありません。

資本家は何を期待しているのか？

最近はNISAやiDeCoをきっかけに投資を始めた方も多いかと思います。株などを持っていれば立派な資本家の一員と言えます。株を購入する際に

なんて考えることは少ないと思います。この会社が成長し続けるか？自分はそれで儲かることができるかを様々な指標で見て購入してるかと思います。そこに何千人、南万人といる社員の1人に過ぎないA君の実績を讃える人はいませんし、どこにも書いてません。強いて言えば、社長が

と鼻高らかに腕を組んでる写真と自信満々なコメントが書いてあるくらいです。株ですらこの現状であれば、投資信託購入者はもっと「いい資本家」としての自覚を持っていないと言えるでしょう。皆、自分の利益のことのみしか考えていないのです。

資本家は投資した株式会社が違法で儲けていても、全く責任を負わない？？

これは「株式の有限責任」ということなのですが、例えば時給100円で違法で働かせていることを知っていても、

ってな姿勢でも全く問題ありません。たとえこれが明るみになっても、その企業は叩かれてもその株主まで叩かれることはありません。

違法と知りながら働かせていた会社、従業員は当然法的罰則をもらいます。

そもそも会社経営に資本家が必要な理由

ここまで読むと勘のいい方だと

そう思うでしょう。いっぱいありますよ、個人経営のお店、上場していない中小企業。これらは資本家がついていない会社です。

大企業は大きな金額を必要とします。だから資本家が必要なのです。もう少しわかりやすく解説します。

銀行からの借金と資本家からの投資

例えば１億円の商品を１億２千万円で売ったとしたら、２千万円の儲けがあります。また、１億円の商品を作ろうとすると、後８千万円足りません。銀行からお金を借りようとすると

人が借りる時も会社が借り時も同じです。一方資本家からは、

と募るわけです。しかも投資だと借金じゃないので、返す義務もありません。会社の配当金は利回りが良くて3~５なので、投資した額分の配当金がもらえるのは。約15~24年後です。

どちらを選びますか？経営者は、銀行から融資をもらうより、応援してくれる投資家からお金をもらいたくなるのです。

そのため、投資金額を返済しない分、資本家の利潤を得れるよう（株価の上昇や配当金など）努力する必要があるのです。

労働者は受け取る給料の額しか興味がない

前回の記事でも、労働者は今自分がいくら稼いでいるのか実感しずらい存在であることを解説しました。

そこで考えられたのが時給制度です。これにより労働者は

と長時間労働へのモチベーション維持につながるようになりました。正社員の固定給も残業代は時給計算になるかと思います。

でもこれって、1時間全く利益を産まない時間もあれば、めちゃくちゃ稼いでいる時間も同じ金額しかもらっていないんですよね。

↓↓前回の記事

マルクスの資本論①〜労働者が貧乏で資本家が金持ちな理由〜

労働時間が長くなるほど、資本家が得をする?

これは、給料を含めた必要経費が余剰利益を超えるなら、資本家も痛みを感じると言えます。しかし、4:6なら？3:7なら？資本家の取り分が多いのだから、働けば働くだけ余剰価値が積み重なり、労働者が搾取される構図にあるのです。

もともと資本家は、労働者全体に対しての平均で賃金を払っているので、1人1人の賃金に変化はあるかもしれませんが、資本家が支払う総額はほとんど変化しないからです。

出来高制になれば、労働者有利になれるか？

出来高制は一見、労働者が資本家に対して力を持つように見えるが、そんなことは全くありません。

例えば２人の社員に２年目のA君にで20万円、5年目のBさんに30万円としていた場合、出来高性になりA君23万円、Bさん27万円となるように、成績が悪い人の給料は下げられるので、資本家の手元から多くのお金を取ることはできないのです。

労働時間の最小限

労働時間の最大限（24時間）は存在するが、最小限は存在しません。

給料分と同じ分だけの利益を生む必要労働時間と、余剰価値を生み出すための余剰労働時間があります。

余剰労働時間が0になることはありません。余剰利益は不払い労働と言うこともできます。資本家は労働者から少しでも多くをむしり取りたいと考えているからです。

ローン返済と同じ仕組みです。先に利息分を稼いだのちに、給与分の計算になるのです。

必要労働時間を減らすには？

1人が1日に60個作るところを120個作るようになれば必要労働時間は減らせるはずです。そのためにはより生産性の高い機械が必要です。

さらにその機械は1人で使うよりも2人3人と多くなる方が効率が良く、使用用途も1つではなく、2つ3つと兼業した方が効率がいい。

また人間も1人で作業する場合と5人10人と作業する場合では、人数が多くなれば多くなるほど、作業効率は安定します。

人数が多くなればなるほど、平均化されるからです。

資本家が資本を大きくする方法

貨幣経済であれば、余剰価値が生まれることはなく、利益の分だけ労働者に還元されるはずです。資本家は余剰利益をどれだけ増やせるかを考えているのです。

余剰利益を増やす方法は、労働時間を増やして余剰利益を高める絶対的余剰価値の増大か、生産力を高めることで労働力の価値を低める相対的余剰価値を上げる方法を取る。

資本家有利が進む世界

資本が増え続けると、資本に依存しなくては給料を得られない労働者が増えます。そこでは流動的な労働者が必要です。新たな技術では人手が必要ですが、軌道に乗れば人手がいらなくなるからです。

派遣社員やアルバイトの人たちは、安くても労働してくれる。いや、安くてもいいからお金が欲しい人たちとも言える。

この人たちが増えると、直接雇用している社員の賃金の抑制にもなるのです。

もし、賃金の上昇を要求されれば、派遣社員にして、もっと安い給料でも雇えると脅せることができ、結果賃金上昇を要求しなくなるのです。

資本主義が興らなかった国アメリカ

マルクスは、資本主義でなかった国が資本主義に転換する過程で、何が起きているか分析しました。

新大陸が発見されてからアメリカでは、中々資本主義が根付きませんでした。移民してきても安い価格で簡単に耕す土地が買え、自給自足の生活ができていたからです。そのため、がむしゃらに資本家の元で働く必要もなく、ヨーロッパから優れた機械を持ち込んでも必要以上の生産物を作ろうとしなかったからです。

収奪が資本主義社会の本質

資本主義が根付かなかったアメリカで次に行われたのが、土地を取り上げることです。移民を大量移入させておきながら、一定の労働をしないと土地を持てない制度を作りました。さらに南北戦争で、重い税金が課されるようになり、やがてアメリカにも資本主義が根付くようになりました。

ここからマルクスは、資本主義を成立させるためには、個人の労働と個人の私有を収奪する必要があります。つまり、貧乏な労働者をつくらないと資本主義は始まらないと結論づけたのです。

共産主義は悪なのか正義なのか

このマルクスの提言に影響されたのがソビエト連邦を建国したレーニンです。150年以上前から指摘されていた資本主義の問題点を社会主義国家の存在のおかげで訂正して来れましたが、ソ連崩壊後の平成から資本主義は、特に日本はいい方向に変わってきたのでしょうか？今こそ見直す時期に差し掛かっているのではないでしょうか？

本日が以上になります。それでは又又六！！

過去の書籍シリーズ

学問のすすめ　本を何冊読んだは学問じゃない！本当の学問とは！？

タルムード金言集　ユダヤ教の童話からお金持ちマインドを手に入れよう！

ブスのマーケティング戦略〜ブスマインドチェンジ編〜

ロバート・アイガー〜テレビ局の雑用からディズニーCEOになった男〜

大東亜戦争②〜ベトナム・ラオスからの視点〜

公式アカウント

公式LINEアカウントもあります。お得な情報やこのブログに対する意見などどしどしお寄せください！！

YouTube　YouTuberやってます！

Twitter

Instagram